今年読んだメ賞作家の本。

2003年12月〜2004年11月の間に刊行された、講談社メフィスト賞受賞作家の本の感想とか。

第01回 森博嗣
四季 夏」 2003/11
四季 秋」 2004/01
森博嗣の浮遊研究室〈3〉宇宙編」2004/03
四季 冬」2004/03
「四季」 2004/03
数奇にして有限の良い終末を I say essay everyday」 2004/04
ごめんなさい、読んでません。
探偵伯爵と僕」2004/04
こうして見ると、森の本で今年読んだのはコレ一冊ですね。
子供向けの「ミステリーランド」の一作ですが、大人が読んで面白かった作品です。もしかしたら子供が読んだら判らない部分もあるのかもしれませんが、大人になって思い返して気が付いたときに印象深くなるのではないでしょうか。
ナ・バ・テア」 2004/06
「工作少年の日々」 2004/07
ミニチュア庭園鉄道〈2〉欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の大躍進」2004/08
「的を射る言葉」 2004/09
人間は考えるFになる」 2004/09
Φは壊れたね」 2004/09
STAR EGG 星の玉子さま」 2004/11
ごめんなさい、読んでません。

第02回 清涼院流水
彩紋家事件 前編 極上マジックサーカス」2004/01
ごめんなさい、読んでません。
彩紋家事件 後編 下克上マスターピース」2004/02
ごめんなさい、読んでません。
「キャラねっと-愛$探偵の事件簿」2004/03
先に「みすてりありキャラネット」を読んでいたので、同作が再収録されてたのは損した気分になりました。しかし、近年稀に見る清涼院がミステリに挑んだ一作でもあり、個人的には楽しめました。
「トップラン&ランド完」2004/04
年表によるページの水増しが芸風のシリーズでしたが、打ち切りのような形で終わってしまいました。というか、終わって良かったと思います。
感慨は残らなかったですが、登場人物は他のシリーズに再登場して欲しいです。
「とくまでやる」2004/08
「連続大量自殺事件」を追う(?)話ですが、「ミステリ」というものを放棄してます。が、その部分は別に気になりません。別シリーズの設定が垣間見えたのは面白かったです。
「秘密屋文庫 知ってる怪」2004/08
ノベルス版の「秘密屋 赤/白」を大幅に再編集した上に新たに書き下ろした文庫版です。
清涼院は文庫化や漫画版を手を抜かずに作るのは偉いと思いますが、果たしてそれがオリジナルを上回る作品になるかというと、そうでもないと思います。
箸井地図探偵儀式」と大塚英志の存在によって、田島昭宇多重人格探偵サイコ」とマダラシリーズ、山崎峰水黒鷺死体宅配便「Mail」と世界が広がっていくのが面白いですね。この流れとは別の世界でしょうが「コズミック・コミックス」も個人的に悪く無かったです。
大説家として攻めに回った「彩紋家事件」が、そんなに評判にならなかったのは時代の流れなのでしょうか?2005年は「カーニバル」の頃のパワフルさを取り戻して欲しいです。

第03回 蘇部健一
「ふつうの学校〈2〉ブラジャー盗難事件の巻」 2004/02
青い鳥文庫」という子供向けレーベルの一作。「教師なんてのは一般企業に就職できなかった奴が就く職業なんだよ!」と子供相手に容赦の無い台詞を浴びせた続編ですが、今回も容赦無かったです。そもそも子供はこんなタイトルの本を買えないでしょう(笑)とても楽しめました。
「届かぬ想い」2004/04
一転これは大人に対しても容赦の無い作品でした。蘇部健一の違う一面が見れました。面白かった。

第04回 乾くるみ
イニシエーション・ラブ」2004/03
恋愛小説として普通に楽しめますが、渾身の一発が「普通に楽しめる恋愛小説」すら仕掛けだったのかよと驚かせる作品でした。
「リピート」2004/10
リピート後のリピーター達が次々に死んでいくところは、もう少し丁寧に描いて欲しかったです。
しかし、「仁〜」もそうなんですが、初期の頃から比べると作家として成長したなと感じます。が、「Jの神話」の一発屋的な若さをまた読みたかったりもします。
それにしてもケン・グリムウッドって「リプレイ」以外にはどんな小説を書いてるんだろ。

第05回 浦賀和宏
なし。

第06回 積木鏡介
なし。
清涼院の「秘密屋文庫」の解説を書いててビックリしました。新作楽しみにしてます。

第07回 新堂冬樹
ある愛の詩」 2004/02
「銀行籠城」 2004/04
「三億を護れ! 2004/04
「アサシン an Assassin」 2004/08
「世界最強虫王決定戦―カブトか?クワガタか?サソリか?オオムカデか?タランチュラか?」 2004/09
「動物記」 2004/11
ごめんなさい、一作も読んでないけど、漫画版「カリスマ」「炎と氷」「無間地獄」は楽しんで読んでます。新堂はもう、大御所作家ですね。

第08回 浅暮三文
「10センチの空」 2003/12
「針」 2004/01
ラストホープ」 2004/06
「嘘猫」 2004/09
ごめんなさい、一作も読んでませんが、アスキーに連載されてた「魔法使いは缶詰にいる」は毎週楽しみに読んでました。

第09回 高田崇史
「麿の酩酊事件簿―月に酔」2003/11
自身が原作を手がけた漫画のノベライズ。中身も「ノベライズ」でした。
QED 龍馬暗殺」2004/01
ごめんなさい、記憶が薄れてます。あまり印象深くなかった。
「鬼神伝 鬼の巻」2004/01
「鬼神伝 神の巻」2004/04
どちらも子供向けとは言い難く、クオリティも高くなかったです。大人も楽しめなかった。
QED ~ventus~ 鎌倉の闇」2004/08
現代の事件と歴史の事件を絡める必要すらなかった一作。いつもは現代の事件はいつもアレだけど、歴史の事件が案外読めるのですが、今回はイマイチ。キャラ萌えで読みました。

第10回 中島望
「人形はひとりぼっち―THE DOLL HUNTER」2004/02
「ハイブリッド・アーマー」2004/02
ごめんなさい、どちらも読んでません。

第11回 高里椎奈
「ユルユルカ―薬屋探偵妖綺談」2004/03
初期の薬屋はホントに苦手でしたが、シリーズを重ねる毎に心地よいシリーズに変わっていきました。これが11作目ですが、この物語がどういった形で終わるのか想像もつきません。
「孤狼と月 - フェンネル大陸 偽王伝」2004/05
リアルタイムで「ロードス島戦記」や「アルスラーン戦記」を楽しんでいた世代としては、このシリーズは往年の懐かしさを感じさせます。ただ、講談社ノベルスというレーベルから出てるのに違和感があります。続きが楽しみ。
「左手をつないで」2004/10
初期薬屋が苦手でしたが著者を見直したのはこのシリーズの一作目でした。三作目の本作で完結しましたがとても好きなシリーズでしたので寂しくもあり目出度くもあり。

第12回 霧舎巧
霧舎巧 傑作短編集」2004/04
自分で「傑作」とかつけてバカじゃねーの!と思ってましたが、ちゃんと傑作でした。ごめんなさい。「あかずの扉研究会」シリーズの続きを読みたいです。

第13回 殊能将之
「キマイラの新しい城」2004/08
ごめんなさい、僕にはまったく面白さがわかりませんでした。

第14回 古処誠二
「七月七日」 2004/09
ごめんなさい、読んでません。このジャンルの作家としての地位を確立してますね。

第15回 氷川透
「逆さに咲いた薔薇」2004/09
各務原氏の逆説」2004/05
ごめんなさい、どちらも読んでません。

第16回 黒田研二
「白昼蟲“ハーフリース保育園”推理日誌」2004/03
「頑張ってキャラクター小説を書いた」ような前作は黒田作品の中で一番嫌いでしたが、本作は主人公がいい顔になりました。犯人の動機は玉に瑕でしたが、シリーズの続きが楽しみです。
「永遠の館の殺人」2004/07/21
ごめんなさい、未読です。
「幻影のペルセポネ」 2004/09
ちゃんとネットゲームをやってないと、この質感は書けないと思う。ちょっと感動した。物語も綺麗に終着して面白かったです。ただ、犯人の動機は玉に瑕でした(笑)スパイウェアのパケットの流れとか気になりましたが、まぁ普通は気にしなくていいよね。
「霧の迷宮から君を救い出すために」2004/10
ごめんなさい、まだ読んでません。

第17回 古泉迦十
なし。書いてください。

第18回 石崎幸二
なし。血中の石崎分が欠乏してます。早く新作読ませて。

第19回 舞城王太郎
好き好き大好き超愛してる。」 2004/08/07
傑作でしたよ。
「みんな元気。」2004/10/28
傑作ですが、舞城の「愛」に食傷かなぁと思ってましたが「ファウスト4号」に掲載された「夜中に井戸がやってくる」を読んで、「やっぱ舞城の『愛』はいいな」と思いました。

第20回 秋月涼介
「紅玉の火蜥蜴」2004/05
シリーズ前作にしてデビュー作の「月長石の魔犬」が個人的にダメで、続編読みたくないやと思ったんですが、前作の評価を大幅に覆すほど面白かったです。続編が読みたいです。

第21回 佐藤友哉
なし。そろそろ調子に乗ってきてるので、伸びた天狗鼻をペシッと折ってやりたくなるような作家です。ユヤタン頑張れ。

第22回 津村巧
なし。

第23回 西尾維新
「零崎双識の人間試験」2004/02/06
「普通におもしろい」というフレーズが適する「西尾らしい」一冊です。
新本格魔法少女りすか」2004/07/17
ごめんなさい、読んでません。

第24回 北山猛邦
なし。

第25回 日明恩
「そして、警官は奔る」 2004/02
登場人物が魅力的ですが、事件がどうでもいいって位に面白くないです。
前作の描写される「穴」が気になってたんですが、今回は特にそういう気になる部分が無かったです。高村薫レベルにはまだまだ及びませんが、書き続けると良い作家になるんじゃないでしょうか。そんな期待を持ってます。

第26回 石黒 輝
「震災列島」 2004/10
傑作「死都日本」の地震版を想像してたのですが、悪い意味で期待を裏切ってくれました。天災作家は次は何を書くのでしょうか。

第27回 生垣真太郎
なし。好きな作家なので次回作を楽しみにしてます。

第28回 関田涙
「刹那の魔女の冒険」2004/02
ちょっと、これはどうかなと思う一冊。ページをめくるのが苦痛でした。
著者紹介で示されてる仕掛けだけは面白かった。

第29回 小路幸也
「高く遠く空へ歌ううた Pulp‐town fiction」 2004/04
これは、今年読んだ本で一番面白かったです。
「Q.O.L.」2004/08
パルプタウンフィクションは恩田陸と比べてしまうが、恩田とは明らかに違う魅力があるのに対して、本作は伊坂幸太郎と比べて、且つ伊坂に力負けしてると感じました。「殺したほどの恨み」が案外軽く昇華されるのも気になるし、誘拐事件の真相も軽く見破れるものでした。ただ、主人公たちはとてもいいキャラだったので別シリーズでゲスト出演してたら嬉しいと思う。
「そこへ届くのは僕たちの声」 2004/11
ごめんなさい、読んでません。

第30回 矢野龍王
極限推理コロシアム」2004/06
ダメな推理小説の見本です。ダメ過ぎて続きが気になる。いや、次はあるのか?

第31回 辻村深月
「冷たい校舎の時は止まる 上中下」2004/06/07/08
ごめんなさい、読んでません。
ただ、著者近影は中巻も下巻も上巻と同じ写真を使えばよかったのにと思いました。