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映画「ティアーズ・オブ・ザ・サン」(原題:Tears of the Sun)を見ました。
なんだこの最低な映画は?
「現代」のナイジェリアで宗教対立と部族対立で内戦が起こって、アメリカ人の女性医師(モニカ・ベルッチ)を救出するためにブルース・ウィリス率いる特殊チームがジャングルの奥地に向かいます。開始五分ぐらいでモニカ・ベルッチとは合流できるのですが、モニカ・ベルッチが「患者も一緒に脱出するのじゃなきゃ行かない」とゴネて国境までジャングルを抜ける強行軍が始まりました。しかし、武装したイスラム教徒が彼らの後を執拗に追いかけてきます。本部に無線で救助を求めるも「内政不干渉」を理由に、とりあえずオマエラだけ頑張れ!と見放されちゃうし、あーん!もうウィリス困っちゃう!!な話です。
んで、この映画が酷いのは、記号として残虐なイスラム教徒、敬虔で純真なキリスト教徒を区切ってるとこ。
それ以上に酷いのが、原住民の描き方が「アフリカの土人」になってる事です。台詞とかないし、「何を考えてるのかわからない奴ら」という画き方です。
いやいや、そしてそれ以上に酷いのはココ十年ぐらい、ナイジェリアではそんな内戦は起きてないという歴史を捏造してるって事ですよ。
映画の終わり方は「世界の警察アメリカ軍が、正義の力でダダンダーン!」でハッピーエンド。
無事脱出できた土人たちは「自由だ!」と拳をあげて大喜び。
「アメリカさま、自由を下さってありがとうございます。」
って、いつの時代のプロパガンダ映画だよオイ。
その他、英語で断末魔をあげる土人、逃亡ルートと国境までの距離、ブルース・ウィリスが何を考えてるかわからん、とツッコミどころ満載。
安っぽいヒューマニズムに感動したいという方にお勧めの一本です。
ちなみに、監督はデンゼル・ワシントンがアカデミー賞を取った「トレーニング・デイ」の黒人監督アントニー・フュークワーです。
あー、あと言い忘れたのがモニカ・ベルッチがエロくなかった。
それだけでも、この映画はダメだと思うのですが。